陰キャ陽キャにこだわる?由来は陰陽説なのかも解説!
陰陽説、という言葉を聞いたことはありますか?
陰陽説という言葉は聞いたことがなかったとしても、陰キャ、陽キャなどの言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
皆さんが普段、何気なく使っている言葉も実は、陰陽説が言葉の由来になっているんですよ!
現代では、ポジティブであること、陽の気を帯びていることを「善」とする流れが強いと思いますが、果たして本当に、ネガティブや陰の気を帯びることは「悪」なのでしょうか。
ポジティブが善であるという思想に縛られて、自分がネガティブなことを考えそうになると、そんな自分だから良くない!と自分を否定している人も多く、陰キャ・陽キャという言葉にこだわる人も多いですね。
でも実は、ネガティブであることも大切であるときもあるし、必要でもある感情で、陰キャ・陽キャという言葉にこだわりを持つ必要がなくなる、ということを今回はこの記事をまとめてみました。
そのあたりを「陰陽説」を元に解説していきますね!
Contents
陰陽説って何?
陰陽説というのは、中国で発祥した自然哲学の思想の1つです。
中国発祥の思想ではありますが、先述の「陰キャ・陽キャ」のように私たちの生活の中でもしっかりと根付いていいて、知らず知らずのうちに使っている、身についているもの、とも言えるかもしれませんね。
陰陽説とは、この世の中にあるもの、全てが陰と陽に振り分けられる、という考え方ですね。
陰と陽、2つのどちらかに全部が入るってこと?
ということは、その中間はないってこと???
全てのものを陰と陽に分けるということは、極端な思想のように感じる方も多いかもしれませんね。
陰陽説とは、どういった思想なのかをまずご説明しましょう。
陰陽説の成り立ち
陰陽説は、世の中のすべてのもの、人やモノ、エネルギーや色、感情など様々なものを陰か陽に振り分けていくという考え方です。
この思想の根幹には、かつて世界は混沌としたカオス状態であった、という考えがあります。
そして、その混沌としたものの中で、軽いものは上昇して「天」を作り、重たいものは下降して「大地」を作りました。
これが陰陽説の成り立ちです。
これは一見すると黒白ハッキリさせる、善悪をはっきり決着をつける「ジャッジ思考」のように捉えられがちですが、実はそうではないのです。
天だけでも、大地だけでもこの世界は成り立つことができませんよね。
陰陽説は、陰も陽もどちらもなくてはならない存在である、陰と陽それぞれに役割を与えてくれているのだということを知ることができるものです。
陰と陽の性質の違いを知る
では、具体的にどんなものが陽で、陰とは何を指すのでしょうか。
身近なもので例えてみましょう。
太陽
天
男
奇数
春夏
白
月、日陰
地
女
偶数
秋冬
黒
簡単に振り分けてみるとこんな感じです。
陽はエネルギー矢印が外へ向いているもの、陰はエネルギー矢印が内に向いているもの、という解釈もできるものです。
外交性、内向性
という言葉で分けることも出来ますよね。
冒頭に出てきた「陽キャ」と言われる人たちは社交的で、目立つタイプ、明るく活動的、というイメージがあるため、世間一般からも好まれるキャラクターとして描かれることが多いですよね。
一方で、「陰キャ」と言われる人たちは目立つことなく家にこもって何かをしている、人との関わりが苦手、そんなキャラクター像があり、陰陽のイメージにも合致しますよね。
でもね、陽が良くて、陰が悪いわけではないのです!
陰陽どちらも大切!
例えば、先ほどの陰陽の表をの中から太陽について考えてみましょう。
この世の中に太陽しか存在していなかったらどうなるでしょうか。
日照りが強すぎて、大地は干からびてしまい、草や作物は根絶やしになり、水は枯渇してなくなってしまいますよね。
時には、土を休めるための日陰も当然必要となってきますね。
また、もうひとつ例を挙げてみましょう。
男性だけ、女性だけでは人類は続いていくことができないので、やはり陰陽どちらも揃っていることが大切だということは簡単に想像がつきますよね。
光があるということは同時に影も存在しているのです。
影があるからこそ、光のありがたさも輝きも一際目立つことができるのです。
このように、陰陽説とは、お互いが支え合っている関係でもあるのです。
陰陽図・太極図に隠された秘密?
その考えが陰陽太極図というものにしっかりと書き込まれています。
陰陽太極図というものを一度はご覧になられたことがある方が多いのではないでしょうか。
こちらですね。
白と黒の勾玉がくっついたような図です。
白=陽、黒=陰
ということは先ほどもご説明しましたが、陽の面積が最も大きいところが夏(陽)のピーク、陰(冬)の面積が最も大きいところが冬のピーク、とみます。
陰と陽、この世の中はこの2つのどちらかに振り分けられるというのが陰陽説です、と何度も説明してきましたよね。
ですが、この陰陽図を見てください。
曲線で描かれていますよね。
直線である箇所がどこにもないのです。
これこそが、私が最も伝えたい部分なのです。
この世のものが全て陰陽の2つに振り分けられるけれど、分断思考でない証拠に直線が描かれていないのです。
右と左、上下などでハッキリと線を引いて、分けていないのです。
むしろ、柔らかな曲線で相手を包み込んでいるようにすら見えませんか?
陰と陽、どちらが正義であり、どちらが間違っているということはない。
どちらも世の中を構成する上で欠かせない存在であり、共に支え合っているのだということが描かれているのです。
陰と陽だけの存在はない!
陰陽説は、世の中にあるものすべてが【陰と陽】どちらかに振り分けられると言いながらも、陽だけの存在・陰だけの存在というものは存在していないということも、この陰陽太極図からも読み取れるのです。
先ほどの絵をもう一度ご覧ください。
陽のピークの中に、黒い点があります。
同様に、陰のピークの真ん中に陽の点が入っているのです。
このように、陰だけ、陽だけの存在というのはこの世には存在していないのです。
例えば陽の男性も、陰の女性から生まれてくる存在であり、陰を帯びているとも言えるのです。
陰陽説から読み解けること
陰陽太極図は、2つの相反するものが一つになることで、円となり、完成している様子を現しています。
円というのは、始まりも終わりも決まりがない、という図形です。
ですが、この円になるためには、陰と陽が協力して手を組むことで成立しているのです。
そんな陰陽太極図から分かること。
それは、例え自分と異質の存在であったとしても、相手を知り、受け入れることは自分の中にあるものを呼び起こし、自分自身の欠けた部分を埋めてくれる存在、と読むことができるのです。
また、普段はポジティブな考え方や、外交的な思考を持つ人でも体調によってや、これまでぶつかったことのない課題に立ち向かう時には心も怯み、不安になったり心配になったり、本当に自分にできるのだろうか、という自分のコンフォートゾーンから出ないように矢印を内側に向ける、なんていうこともあるでしょう。
これこそが、陰だけの人、陽だけの人は存在しない、ということなのです。
陽の気が強い人の中にも陰はありますし、陰の気が強い人の中にも陽はあります。
どちらもあって、自分なのです。
まとめ
陰と陽、どちらもあって自分なのですから、いつだって前向きでポジティブでいなければならない、という考えに縛られる必要はありません。
落ち込む日があっても
こんな自分はもう嫌だぁ!
と思う日があっても良いのです。
落ち込むだけ落ち込んだら、あとは上がるだけしかありません。
陰陽太極図でも、陰が極まれば陽に転じていくのです。
また、陽の気が強すぎる時には、心が荒ぶったり攻撃的になる、という弊害も含んでいますので、やはり陰の気を入れて心を落ち着ける必要もあります。
大切なことは、どんな時にも自分を俯瞰的に見ることです。
だからこそ、冒頭にも出てきた「陰キャ・陽キャ」なんていう言葉にこだわる必要はないのです。
今は陰が強くなっているな、陽の気が強くなっているな、と観察しながら、そこでバランスを取りながらも日々頑張る自分を認めることこそが、真の「あるがまま」「ポジティブさ」ではないでしょうか。
陰な自分も、陽な自分も、大切な自分だということを、陰陽説は教えてくれるのです。
陰キャな自分も、陽キャな自分も誰の中にも存在しているのですから、その言葉にこだわらずともオールオッケーな気持ちで過ごしていきましょう!